[ 中小企業会計 ]

2006年03月26日

会計参与の行動指針

今日の福岡は、晴れ時々曇り。
家族で大濠公園に行きました。
(ここで、以前であれば携帯写真が、・・・(-_-;))

5月施行の新会社法。

その中でも、私たち会計人に関連が深い新しい制度として、『会計参与』があります。

目的は、中小企業の会計の信頼性アップ。
意義は、企業と会計専門家が共同して決算書を作成する。
責任は、会計監査人とほぼ同等。

といったところですが、イマイチ盛り上がりに欠けるような。

それは、やはり中小企業に対する実効可能性でしょう。

2月に公表されていた、会計参与の行動指針には、「2.計算関係書類作成に当たっての行動指針(一般事項)」において、次のような規定があります。

『(6) 取締役が、計算関係書類の作成に必要な資料の追加提供を拒否する場合、又は会
計参与の訂正の要望に対して取締役が適切な訂正を行わない場合、結果として共同
して計算関係書類を作成することができず、会計参与報告も作成できない。そのた
め、会計参与の職務を遂行できないと考えられる場合、会計参与は辞任について検
討すべきである。

なお、検討の結果、会計参与を辞任しない場合には、会計参与は株主総会に出席
し、取締役と意見を異にした事項などの意見を述べ、又会計参与を辞任した場合は、
辞任後最初に招集される株主総会に出席し辞任の理由を述べることが望ましい。』


ごっちゃりとなっていますが、要約すれば、

「会社の決算書において、不正経理(いわゆる粉飾)があった場合には、訂正をお願いして、訂正を受け入れてもらえない場合には、辞任を覚悟しなさい。
 但し、その言い訳を株主総会で述べることができますよ。」

といったようなことです。

ただ、中小企業といえば、ほぼイコールオーナー企業となります。
オーナー企業というのは、イコール取締役と株主総会は、ほぼ同一です。

となると、不正経理の訂正を求めたとしても、結局は、握りつぶされてしまう可能性が高いのではないでしょうか。

この点を担保する仕組がない限り、場合によっては、例の建築偽装問題のような事態に陥り、業界の失墜につながる懸念があるような気がしますね。(^_^.)

もうすぐ制度開始。
せっかくできた中小企業の適正な会計への制度。
うまく、行ってもらいたいものです。

(^_-)-☆


投稿者 kuni01 : 22:26 | コメント (0) | トラックバック

2005年10月23日

中小企業会計で重視されるもの

最近、『中小企業会計指針』のセミナー等に参加するようになって、中小企業の会計について考えることが多くなりました。

私は、監査法人にいたときには、中小企業の会計というと、銀行での自己査定資料、企業再生業務、M&A業務といったもので接していました。

そういった業務の中で、中小企業の決算書を見た場合、公開企業のそれと比べ、その信頼性は低いものという認識でした。

しかし、それは、あくまで、『公開基準』の会計としてです。

会計には、目的というものが存在します。

公開企業の場合、最も重視されるのが、『投資家保護』です。
商法で最も重視されるのは、『債権者保護』です。

では、中小企業の経営者にとって最も、重視すべきな目的は、何でしょうか?

経営者にとっては、『期間比較可能性』ではないかなと思います。

『期間比較可能性』というのは、簡単に言えば、去年に比べてどうなんだろう?といった程度のものと考えられます。

そのためには、前提としては、会計処理の継続性が担保されていればよいでしょう。

その中で、借入金の依存度が、上がってくれば銀行という『債権者』を重視した決算書を作成していくことが必要になってきます。

この段階で、どの程度までを『債権者保護』と考えるかは、各々で差があるでしょうが、ただ、銀行から見れば決算書はヒアリングベースで実質作り直していますので、最低限の処理(税法基準)ぐらいを満たしておけばいいのではないでしょうか。

出来ればH10年度税法改正前の賞与引当金、退職給付引当金ぐらいまで計上されれば、一応OKで、銀行側も経営者の誠実性高いとみるでしょう。

最後は、公開会社レベルでしょうが、この段階にいくには、『中小企業の会計指針』といったものを利用して、段階的にあわせていくことがいいのではと思います。(^_-)-☆

投稿者 kuni01 : 11:15 | コメント (0) | トラックバック

2005年10月07日

中小企業会計指針セミナー

本日は、夕方から税理士連合会が主催する『中小企業会計指針セミナー』に行ってきました。

実際に制度を作っていたときのメンバーの先生が、講演されてて、策定のときの裏話まで聞けて、また1つ、「中小企業会計指針」を見る目が変わってきました。

新会社法のもとで、会計参与制度がスタートするまで、あと少し。

書店には、会社法の本は、山ほど並んでいますが、まだ、中小企業会計指針の本は並んでいないですね。

果たしてどこまで浸透するのでしょか?

今日、講演されてた、先生は『会計に関するセミナーにこんなに集まるのは珍しい』と言われていました。

みんな、関心はあるのですね。(@_@)

投稿者 kuni01 : 00:40 | コメント (0) | トラックバック

2005年09月27日

中小企業会計に関する指針の適用対象

いよいよ、監査法人も今週いっぱいで、退職です。

もう、心は新天地ですが、色々とやることがあって大変です。

 

今日は、久しぶりに中小企業会計についてです。

8月1日に指針が公表されたものの、いまいち盛り上がりには欠けていますが、重要な指針であることは、変わりありません。

なぜなら、新会社法で、適法と認められる中小企業の会計処理の方法は、現在のところ、この指針しか存在しないからです。

つまり、単純な税務基準というのは、『公正なる会計慣行』とはいえず、こちらの指針が優先されるからです。

では、気になる適用範囲は?

指針では、以下のように述べています。

『本指針の適用対象は、以下を除く株式会社とする。

(1)証券取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社

(2)商法特例法上の大会社(みなし大会社を含む。)及びその子会社。』

要は、公認会計士の監査を法律的に受けなければならない会社以外の会社全てとのことです。

 

ちなみに、有限会社、合名会社、合資会社も適用が推奨されるとしています。

つまり、世の中の会社で、公認会計士と法律的にかかわりを持っていない会社は、全てこの会計指針に従わないと、『違法』または、『粉飾』と言われてしまう可能性があるということです。

ちなみに、『税法基準』だけで作成されている決算書は、この定義からはOUT!と考えられますので、ご注意を (*^_^*)

投稿者 kuni01 : 01:57 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月30日

退職給付

どうも、お久しぶりです。

夏ももうすぐ、終わり。
セミの声も、つくつくぼうしに変わってきました。

今日は、中小企業会計指針の退職給付会計について。

本日の日経新聞のトップ記事に、上場企業の年金積立不足が減少という記事が出ていました。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050829AT2D2800828082005.html

上場企業の場合、この退職給付引当金の積立不足は、有価証券報告書等の注記情報で開示されています。

http://info.edinet.go.jp/EdiHtml/main.htm

ただ、中小企業の場合、この退職給付引当金について、完璧に会計処理を行っている会社は、ほとんどないのでは、と思っています。

実際、今、事業承継がらみの業務で、中小企業のデューデリを行った場合、最も、純資産に対して、修正要素となるのが、この退職給付です。

これは、税務基準が適切な会計処理だと考えられている、経営者にとっては、寝耳に水のようなもので、『なんで!』といった声が聞かれます。

また、BuySide側にとっても、同様です。

当然、事業承継の対象となるような会社では、従業員もある程度の年齢は、いかれているため多額となることが多いです。

この退職給付引当金について、中小企業会計指針では、どのように定めているのでしょうか。

『54.確定給付型退職給付債務の計算方法ー簡便法』
 では以下のように記しています。

退職一時金制度の場合:期末自己都合要支給額を会社自ら計算
企業年金制度(確定給付):退職一時金制度と同様に計算

一時金制度は、そんなに抵抗無いとは思いますが、企業年金制度については、『退職一時金制度と同様に計算』

これは、一体何を指すのでしょうか?(@_@;)

それに続く『退職給付債務・退職給付引当金』にの項では、参照として退職給付会計基準とその実務指針が記されていますが、会計士以外に、この基準、指針に精通した人がどの程度いるのか、正直疑問です。

確かに、実務指針には、第34項から41項まで、小規模企業等における簡便法が記されています。

項をあげてみると
34項 小規模企業等における簡便法
35項 連結財務諸表における連結子会社の取り扱い
36項 簡便法による退職給付債務の計算方法
37項 一時金制度の一部を適年に移行している場合の取り扱い
38項 簡便法における退職給付引当金等の計算
39項 簡便法による退職給付費用の計算方法
40項 簡便法を適用する場合の会計基準変更時差異の取り扱い
41項 簡便法から原則法への変更

といったものがあります。

もちろん、簡便法である以上は、基本的な概念は、原則法に記されており、結局この全部で64項にも及ぶ実務指針を理解することが必要となってきます。
(関係ないところは、飛ばしますが。)

つまり、この中小企業会計指針では、結局、大企業なみの理解が必要となるのですね。

また、税務上の処理は、中々、企業年金を採用している場合の会社は面倒で、明細書の提出が必要になります。
『退職給付会計に係る税務上の取扱いについて(意見照会)』

ただ、先にも述べましたが、中小企業において、この退職給付会計は多大な影響を与えますので、一度、会計専門家にその計算、考え方を聞かれておくことが、数字を適切に把握する経営者としては、必要なのではと思われます。

投稿者 kuni01 : 02:02 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月05日

中小企業会計指針の公表について

遂に、中小企業会計指針が公表されました。

http://www.chusho.meti.go.jp/zeisei/050803.kaikei_shishin.htm

内容を見てみると、大きく変ったところは、ありませんが、ゴルフ会員権の減損について、50%基準といったセーフハーバールールが、消えていました。

この辺は、そもそも基準なんだから、数字的なもので示して、画一的に適用した方が、利用者側の効用としては高いと考えられるのに、残念です。

また、いたるところに、公認会計士および上場企業しか知らないような会計基準が振りばめられています。

シングル・スタンダードを基準にしているのでしょうが、中小企業の経理担当者・税理士にそこまで、求めるのは酷と思います。

私個人としては、明確な数字基準のようなものを多用して、誰が適用しても同じ結果が出るような決算書が、中小企業の会計指針としては理想でしたが、どうやら違うようですね。(^_^;)

まあ、とりあえず、この会計指針だけでも、中小企業は適用してい頂きたいと思いますし、それを元に、日本の金融、資本市場が活性化されればと思います。

先日も、ある中小企業の決算書を見せてもらいましたが、社長さんは当然利益が出ていると思っているのに、実際、税務基準ではない、公正な会計基準を適用すると、・・・でした。

実際、そんなに利益が出ているのに、何でキャッシュが無く、借入をしなければならないのか?

そういった場合は、おそらく、その決算書は、会社の実態を表していません。

そういった場合は、是非ご相談を(^_-)-☆

P.S. 私が故意にしていただいてる先生の本が出版されました。
私も、校正等を手伝いましたが、「協力者」として出ています。
良かったら、買ってみてください。面白いです。

実践 儲かる会計・儲からない会計

投稿者 kuni01 : 00:34 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月11日

中小企業会計に関する指針の公表 −固定資産6−

今日は、いよいよ、注目されていた固定資産の減損についてです。


これについては、先日の「臨時償却」のところで減損会計についても結構触れたので、今回は中小企業でのポイントを解説していきたいと思います。

 

〔36.固定資産の減損〕

 

まずは、指針の基本的スタンス

 

『固定資産について予測することができない、物理的・機能的減損が生じたときは、相当の減額をしなければならない。また、固定資産に物理的・機能的減損が生じていなくても使用状況と時価により減損処理を行うことがある。』

 

としており、減損は、原則適用である旨を明確に打ち出しています。

この点については、税理士会連合会の『中小企業会計基準』にも同様の定めがなされています。

あえて、違いといえば、中小企業会計基準には、『著しく』という文言が入っているか、否かです。

 

で、その減損の認識・測定のポイントですが、まずは、書き出しで

 

『資産の使用状況に大きな変更があった場合に、減損の可能性について検討』

 

としており、減損の取っ掛かりを示しています。

またその具体例として

 

・ 将来使用見込みが客観的にないこと(遊休設備
・ 用途を転用したが採算が見込めないこと(不採算施設

 

いずれかに該当し、かつ

 

時価が著しく下落(ここで、『著しく』が出てきます。)している場合

としていてます。


最後に、『なお』書きとして、

 

『資産が相当期間遊休状態にあれば、通常、将来使用の見込みがないことと判断される。』

 

とされ、遊休設備の減損は”必須”であることを念を押しています。


まあ、こんな感じで、減損を”あっさり”と規定してくれていますが、正直、決算書作成目的であれば、これぐらいで十分ではないでしょうか?(^^ゞ

 

ただ、中小企業であろうと、といより、体力の少ない中小企業だからこそ、本来の減損会計基準の理論的背景である、『戦略的投資』の考え方は、一度、ご理解されたおいた方がいいのかなと思います。(^_-)-☆

投稿者 kuni01 : 23:33 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月09日

中小企業会計に関する指針の公表 −固定資産5−


今日は、すごくあっさりしています。


 


ミニ知識程度とお考え下さい。


 


 


35.圧縮記帳」


 


圧縮記帳についても、特別償却と同様、「原則として」利益処分方式としています。


 


そのうち、国庫補助金、工事負担金、交換、収用、特定資産の買換えといった処理では、直接減額方式が「できる」「認められる」規定が設けられています。


 


日本税理士会連合会の「中小企業会計基準」では、国庫補助金、工事負担金については、触れていますが、交換、収用、特定資産の買換えついては特に触れていません。


 


ということで、昨日書き過ぎたので今日は、寝ます。


 


明日は、実家、大分県佐伯市に帰ります。

投稿者 kuni01 : 02:36 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月08日

中小企業会計に関する指針の公表 −固定資産4−




前日まで、だいぶ横道にそれてしまいましたが、ようやく中小企業会計に戻ってきました。


 


東京の知り合いが、中小企業会計指針の委員会の方の講演会に行かれた感想を送付してきてくれましたが、委員会の先生方の方にも、いまだに大会社基準の基準を調整する形の指針にご納得されていない方もいるようでした。


(-_-;)


 


いずれにせよ、明日(8日)が意見書の締め切りで、8月の中旬以降には確定するようです。


 


前置きが長くなりましたが、・・・(^^


中小企業会計指針では、「臨時償却」の概念を明確に減価償却の規定に入れています。


 


ちなみに日本税理士会連合会の「中小企業会計基準」では、この点については特に触れていません。


 


私の私見では、減損の概念を入れていれば、わざわざ、「臨時償却」を厳格に分ける必要はないような気がします。いたずらに複雑にしているように感じます。


 


〔おまけのポイント 法人税法上の取り扱いが盛り込まれています。〕


また、会計指針では、上記の臨時償却を除く、通常の減価償却の要素の決定、耐用年数・残存価額については、法人税法上の扱いを認めています。


 


これについては、実務的にも、そのようにしている会社の方が多いと思うので、すんなりと受け入れられる(というより、そのまま変化なし)でしょう。


 


〔ポイント2 特別償却の扱い〕


34.固定資産の減価償却」のもう一つのポイントは、税法の特別償却の扱いが明確になった点です。


 


こちらについては、中小企業については、優遇税制の関連で結構、特別償却が認められますが、それを、簿価の直接控除形式から、利益処分方式にすることが望ましい旨規定を入れています。


 


税務調整上、作業負担がないのは一度の処理で済む、直接控除形式ですが、取得価額から、税務免除額を直接控除するこの方法は、会社の使用している設備投資額が現れないということで、昔から、論点でした。


 


経営指標的には、ROA(総資産利益率)の算定といった視点ですね。


 


また、中小企業の場合、一般的に、大企業の一ラインとしての下請け工場のような会社が多く、一つの機械設備の固定資産に占めるウェートが大きいため、特別償却により、固定資産の実際の投資額がわからなく点は、財政状態の実態把握としてどうなのかな?と思っていたのでスッキリです。


 


ただ、これには、あくまで重要性の判断基準が入るところですので、無理に利益処分形式を採用する必要はないことに、ご注意ください。


 


当然のことながら、税務調整は、直接控除方式の方が楽です。(^_-)-


 


といったところで、ようやく「34.固定資産の減価償却」終了ですね。

投稿者 kuni01 : 00:08 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月07日

中小企業会計に関する指針の公表 −固定資産3−


(今日は、先日の続きからです。正直、今日の話は、会計士レベルの話なので、すっ飛ばしてもらっても構いません。それより、「ものを言う株主2」の方が面白いですよ。)


 


 


 


「固定資産の減損にかかる会計基準の設定に関する意見書(H14.8.9 企業会計審議会)」


 


三.基本的考え方


 


(この章は、どのような会計基準にも言えますが、一読をお勧めいたします。下手な、メディア、参考書に書かれている、うわべの解説ではなく、いったいどういった経緯でこの基準が策定されたのか、“葛藤”が描かれています。)


 


まずは、臨時償却から。


 


 『 2.固定資産の帳簿価額を臨時的に減損する会計処理の一つとして、臨時償却がある。


 臨時償却とは、減価償却計算に適用されている耐用年数又は残存価額が、予見することのできなかった原因等により著しく不合理となった場合に、耐用年数の短縮や残存価額の修正に基づいて一時に行われる減価償却累計額の修正であるが、資産の収益性の低下を帳簿価額に反映すること自体を目的とする会計処理ではないため、別途、減損処理に関する会計基準を設ける必要がある。』


 


このように、臨時償却と減損は違いますよ、という解説をしています。


 


では、減損損失については、どのように記載されているか、ご紹介します。


 


 『 3.固定資産の減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態であり、減損処理とは、そのような場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減損する会計処理である。』


 


とまず、定義しています。


 


続いて、その解説として。


 


 『 減損処理は、本来、投資期間全体を通じた投資額の回収可能性を評価し、投資額の回収が見込めなくなった時点で、将来に損失を繰り延べないために帳簿価額を減額する処理と考えられるから、期末の帳簿価額を将来の回収可能性に照らして見直すだけでは、収益性の低下による減損損失を正しく認識することができない。』


 


としており、減損処理が、「期末の帳簿価額を将来の回収可能性に照らす」臨時償却より、幅の広い「投資期間全体を通じた投資額の回収可能性」の評価であることについて述べています。


 


また、続く文書で


 


 『 帳簿価額の回収が見込めない場合であっても、過年度の回収額を考慮すれば投資期間全体を通じて回収が見込める場合もあり、また過年度の減価償却などを修正したときには、修正後の帳簿価額の回収が見込める場合もあり得るからである。』


 


としています。


 


勘の良い方は、上記の文書を見て気づかれたと思いますが、「また」以下の過年度の減価償却の修正は実は、「臨時償却」を包含しているのです。(厳密には、「臨時償却」は、過年度修正ではありません。念のために(@_@) )


 


またそこについては、このように展開されています。


 


 『 なお、減価償却などを修正して帳簿価額を回収可能な水準まで減額させる過年度修正は、現在、修正年度の損益とされている。遡及修正が行われなければ、過年度修正による損失も、減損による損失も、認識された年度の損失とされる点では同じである。』


 


として「同じ」ということで、


 


 『 したがって、当面、この部分(過年度修正)を減損損失と区分しなくても現行の実務に大きな支障は生じない。そのため、本基準(減損会計基準)では、他の基準を適用しなければならないものを除いて、回収を見込めない帳簿価額を一纏めにして、減損の会計処理を適用することとした。』


 


となっています。


 


ということで、減損会計と過年度修正がごちゃ混ぜとなっているのですね。


 


これは、表示面にも出て、本来、取得原価の修正であるはずの「減損」が、通常の減価償却と同様に、累計額的間接控除も認められています。


 


( 上の「当面」という言葉も、今検討されているビッグバンの余波があるんですよ。実は、^_^; )


 


と、だいぶ横道にそれてしまいましたが、中小企業会計に戻って、(-_-;)


 


 


(と思いましたが、今日はココまでで。明日から、「中小企業会計」に戻ります。)

投稿者 kuni01 : 01:15 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月06日

中小企業会計に関する指針の公表 −固定資産2−

3f9142b0.JPG


本日は、福岡は、どしゃ降りの雨でした。


 


私も、移動の時、スーツびしょびしょ、クールビズ使用の靴を履いていたので、足の裏も、水が透け通りびしょびしょになってしまいました。(_;)


 


 


本日は、中小企業会計指針の解説に戻り、「34.固定資産の減価償却」からですね。


 


こちらは、あまり変化はなく、従来どおりの会計処理ですね。


 


ポイントとしては、2


 


     臨時償却が明確化されたこと


     特別償却の処理が明確化されたこと


 


おまけで、いまさらですが、法人税法の規定したがった処理もOKというのが明文化されたことですね。(@_@)


 


まずは、臨時償却から。


 


 指針上、耐用年数・残存価額の修正をせまる、「機能的減価」といった、減価償却の見積りの変更が加えられています。


 


 これは、「減損」と混同されることがありますが、減損があくまで、キャッシュフローからみた投資の意思決定の修正を迫る処理であるのに対し、こちらは「当初これくらいはもつとは思ったのに『時代遅れ』になってしまった。」といった事実認識の変更をベースとしています。


 


















種類


意義


処理科目


B/S表示


上記説明による


減価償却の修正


見積り修正


臨時償却


減価償却累計額に含める


減損損失


資産収益性の修正


減損損失


原則、取得減価の修正


 


この点、中小企業において、ここまで明確にする必要があるとは思いませんが、減損会計は、最近はやりなので(3月決算会社の本適用は、今年の41日以降事業年度、すなわち、今年度。しかも減損は、期首認識を原則とするため、6月末の第1四半期に一斉に、減損損失が開示されます。)、豆知識として記載しておきます。


 


「固定資産の減損にかかる会計基準の設定に関する意見書(H14.8.9 企業会計審議会)」


 


三.基本的考え方(この章は、どのような会計基準にも言えますが、一読をお勧めいたします。下手な、メディア、参考書に書かれている、うわべの解説ではなく、いったいどういった経緯でこの基準が策定されたのか、“葛藤”が描かれています。)


 


(今日はココまでです。明日は、もっとごちゃごちゃ話しになりそうです。(-_-;) うーん、やはり「宇宙後?」

投稿者 kuni01 : 02:54 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月01日

中小企業会計に関する指針の公表 −固定資産1−

指針の中で、各論として注目されていたのは、先週までの有価証券のほか、固定資産、退職給付債務・退職給付引当金、税効果会計でした。

 

これらは、いずれも1990年代後半から始まった、会計ビッグバンによる影響で、大会社の企業会計と、税務会計が大きく乖離した部分です。


とういうことで、今週は「固定資産」についてBlogってみたいと思います。

 

固定資産での今回の指針の注目点は、言わずもがなお判りになるとは思いますが、「減損会計」です。

 

これが、どのような形で公表されるのか?(@_@)

 

ですが、お楽しみは後にとっておくことにして、まずは、概観を流してみましょう。


固定資産の指針は、33から37の5つです。

具体的には、

 

 33.固定資産の取得価額
 34.固定資産の減価償却
 35.圧縮記帳
 36.固定資産の減損
 37.ゴルフ会員権

 

なぜか、「ゴルフ会員権」だけ別掲ですね。

 

これは、やはり中小企業のオーナーは、ゴルフ好きってのが定番と思われているのでしょうかね。(@_@;)

一方、ソフトウェア・営業権(暖簾)と言った、会計チックな項目は、出てきていません。

 

ちなみに、営業権については、日本税理士会連合会の中小企業会計基準においては、項目が設けられており、5年以内均等額以上償却を義務付けています。

 

ただ、会計的には、この営業権の償却は、議論されている領域であり、楽天の三木谷さんとかは、「一括償却すべき」と主張するし、企業結合会計基準では、20年以内、海の向こうのアメリカにいたっては、償却不要と様々です。


ということで、『触らぬ神に祟りなし』スタンスなんでしょうね。(^_-)

 

それはそれとして、おいといて具体的な指針の解説に入りますと、まず、33.取得価額ですが、これは一般的な話。

 

原則付随費用を含めるが、少額の場合は費用処理可能。また、少額減価償却資産についても、費用処理可能といったものです。

 

ただ、残念なのが、何が少額減価償却資産なのか分からないところですね。

 

ユーザーの利便性を考えたら、もっと明確に少額減価償却資産を定義しても良かったのかな、と思います。

 

 

ちなみに「少額減価償却資産」何を指すのかというと、以下の2つです。

 

1.10万円未満:少額であるため、取得価額自体を費用処理。
2.10万円以上20万円未満:まとめて、3年間一括償却可能。

 

といったところが、基本通達7−1−11に記載されていますが、指針で言っているのは、どっちなのでしょうか。

 

というのは、平成10年度税制改正までは、2.の20万円未満までは、1と同様の処理が可能だったため、継続してそれを利用している企業があるため、?なのです。

 

まあ、1までラインを下げている企業がほとんどでしょうがね。(@_@)

 

(今日は、ここまでです。(^_^)v)

投稿者 kuni01 : 01:50 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月28日

中小企業会計に関する指針の公表 −有価証券4−



今日は、昨日の続きからです。


 


有価証券の減損についてのまとめは、



















有価証券の区分


対象


会計処理


例外


市場性あり


満期保有目的債券


子会社株式及び


関連会社株式


その他有価証券
−時価あり−


 


時価が著しく下落


時価 = 貸借対照表価額


評価差額 → 当期損失


回復見込みがあると認められる場合


市場性なし


株式


財政状態の悪化


実質価額が著しく低下


貸借対照表価額


→ 相当の減額


評価差額 → 当期損失


回復可能性が十分な証拠によって裏づけされる場合


 


といった具合です。


 


ここでのポイントは、言わずもがな、「著しく下落」と「例外」の部分です。


 


まずは、「市場性あり」の有価証券。


 


これは、「時価が、取得原価に比べて50%程度以上下落した場合」


とされています。


 


ちなみに、中小企業会計基準では、「例えば、時価がおおむね50%以上下落した場合」としていましたから、50%のラインはあまり「おおむね」が「程度」(この辺も微妙ですね。何で、「以上」という、数学的な表現を使用しているのに、曖昧さを残すのか(-_-;))に変わった程度ですが、「例えば」がなくなった点は、それが、いくつもあるうちの一つであり、その他の方法というのもありますね、と言ったニュアンスから、明確にボーダーは50%ですよと決めた点、これは、やはり責任の限界点を決める上で欠かせないポイントだったのでしょうね。


 


ちなみに、この指針だと、


30%を越えた場合を著しい下落とする」はOK (^_-)-


60%を超えた場合を著しい下落とする」はOUT(T_T)/~~~


 ですね。


 


一方「回復見込みがあると認められる場合」とは、「合理的な反証がない限り」というのは、何を指すのか?


 


まあ、この辺は、「市場は生き物」であるため、予想は難しいでしょうが、例えば、決算書作成期日までに、時価が取得価額まで回復していれば、OKでしょう。


 


ただ、50数パーセント下落から、40数パーセント下落まで回復というのは、OUTかな?


 


続いて、時価のない有価証券ですが、まずは、「著しく低下」です。


 


これは、「少なくとも株式の実質価額が取得原価に比べて50%程度以上低下した場合」となっていますが、ココでのポイントは「少なくとも」。


 


これも、中小企業会計基準が、「例えば」としていたのに対して、「少なくとも」とボーダーラインを決めていますね。


 


次に、「実質価額」。中小企業会計基準では、明確に「1株当たりの純資産価額」とわかりやすくしていますが、果たして、イコールでいいのか?ですね。


通常は、1株当たりの純資産価額を指しますが、例えば、その会社が大きな含み益を抱えた資産(土地等)を所有している場合には、それを加味したりすることがあります。


 


その辺は、どっちかはわかりませんが、とりあえずは、「1株当たりの純資産価額」を基本にしていれば、大丈夫だとは、思います。


 


で、『回復可能性』


 


「十分な証拠によって裏付けられる場合」となっていますが、何が、「十分な証拠」か、これは、監査法人でも、審査・審議事項になるぐらい難しい判断です。


 


正直言って、分かりません。(-_-;)


 


一般的には、合理的な再建計画等といわれていますが、計画はやってみないと分かりませんし、あくまで、いくつかある仮説の一つに過ぎませんからね。


 


最後に、税法によった処理と『重要な差異』がないと見込まれるときは、法人税法の取り扱いに従うことが認められます。


 


その内容としては、基本通達9−1−7、9−1−9、9−1−10、9−1−11辺りに記載されていますが、特徴的なのは、やはり税法。


 


9−1−9で、法的整理が開始された場合等について、記載されています。


 


他、「1株あたり純資産」の算定方法に、「相続税評価額」「時価純資産価額」といった方法も採用できることが記載されています。


 


http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kihon/houjin/09/09_01_03.htm


 


といったところですかね。今回は。


 


(ふー、疲れました。(-_-;)


 


 


いよいよ、開業間近になってまいりました。


 


7月8日には、楽天ビジネスに出店予定です!(^_-)-☆

投稿者 kuni01 : 02:03 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月27日

中小企業会計に関する指針の公表 −有価証券3−


今回で、3回目となった、有価証券の解説ですが、実は、今回の解説がこの中小企業会計指針の有価証券部分のハイライトといえる部分では、と思っています。


   


そのハイライトとは、「有価証券の減損」です!


   


(と思っていましたが、あまりに長すぎたので、2回に分けました。 m(__)m )


  


この中小企業会計指針が策定された、一番の目的は、来年施行予定の「新会社法」における「会計参与」制度の行動指針とすることです。


  


つまり、会計参与は、この指針に従って、会社の決算書の作成に関する指導等を行うことになっていますが、逆に言えば、この指針に従わなければ、いつ、利害関係者(閉鎖会社では、まだまだ、間接金融が中心なので、主として金融機関ではと想定していますが。)に訴えられても仕方がないということです。


  


今までも、有価証券については、減損規定はありますが、実質中小企業では採用されている例は、稀ではと思われます。子会社株式・関連会社株式といった部分は、特に。


  


では、解説を。


 


その前に軽く。2つの指針を。


  


[20.有価証券の取得原価]


 


 「取得原価には、取得時の付随費用を含める。」


  


これは、特に、従来の方法、中小企業会計基準、税法とも変わりないと思います。


 


その後に続けて、時価評価の場合の留意事項を入れていますが、これも、当たり前のことの確認規定ですかね。


  


[21.有価証券の評価方法]


 


 移動平均法・総平均法


  


これも、特に問題なし。だということで、パス。


   


さて、いよいよ、本日のメイン・イベント減損です。<(^´)>


  


[22.有価証券の減損]


  


まず、始めから、カウンターパンチ一発といった、感じの文言。


  


「有価証券の減損については、商法上、強制適用されることに留意する。」


  


いきなり、「商法上、強制適用されることに留意」と来たか(_;) という、感じですね。


  


つまり、これをやらなきゃ、商法上、罰則を受けますよ。ということですね。


 


では、まとめて見ますと


 


















有価証券の区分


対象


会計処理


例外


市場性あり


満期保有目的債券


子会社株式及び


関連会社株式


その他有価証券
−時価あり−


 


時価が著しく下落


時価 = 貸借対照表価額


評価差額 → 当期損失


回復見込みがあると認められる場合


市場性なし


株式


財政状態の悪化


実質価額が著しく低下


貸借対照表価額


→ 相当の減額


評価差額 → 当期損失


回復可能性が十分な証拠によって裏づけされる場合

といった具合です。


  


 


(すみません。長くなりすぎたので、今日はココ辺で区切らせてもらいます。 m(__)m )

投稿者 kuni01 : 01:32 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月23日

中小企業会計に関する指針の公表−有価証券2−


中小企業会計指針の「有価証券」の続きですが、今日は、「19.有価証券の分類と会計処理」から、解説していきたいと思います。


 


有価証券は、その保有目的から以下の4つに分類され、会計処理は以下のようになっています。


 


 ┃分類      ┃貸借対照表額   ┃評価差額


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


1┃売買目的有価証券┃時価       ┃営業外損益


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


2┃満期保有目的債券┃償却原価     ┃償却原価差額


           (取得原価)   ┃:営業外損益                    


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


3┃子会社株式及び


    関連会社株式┃取得原価     ┃該当なし


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


4┃その他有価証券 ┃         ┃


   市場価格あり ┃時価       ┃資本の部


                    ┃(税効果考慮後)


  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   市場価格なし ┃取得原価     ┃該当なし


          ┃(債券:償却原価)┃(償却原価差額)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 


この分類基準は、会計基準である「金融商品会計基準」と同一の区分となっています。


 


税理士会連合会の「中小企業会計基準」では、分類については、直接的には触れられてはいませんが、会計処理と一緒に以下のような分類が行われているようです。


 


 


 ┃分類        ┃貸借対照表額   


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ┃売買目的有価証券  ┃時価で評価


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ┃子会社株式     ┃取得原価


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ┃市場性のある有価証券┃時価で評価可能


 ┃市場性のない有価証券┃著しく悪化の場合は相当の減額


 


 


まあ、これを見る限り、分類上の差異は「満期保有目的債券」、「関連会社株式」とういうところでしょうかね。


 


「関連会社株式」については、もともと連結会計上の概念であるため中小企業では関係が薄いのでしょうが、後々、公開等を目指す会社であれば、これは厳密に分けといた方が身のためですね。


 


また、「満期保有目的有価証券」については、全く出てきていませんが、税務申告上、これは、償却原価法という処理を採用して、損金・益金として認められるので、もし顧客が、そういった要望であるならば、「中小企業会計指針」に従った処理を行った方が顧客の節税になるケースがあります。


 


一方、評価・会計処理についてですが、これまた、


 


「中小会計基準」の方が、「売買目的有価証券」を除いて原則、原価法としているのに対して、「中小企業会計指針」では、「その他の有価証券」については、市場価格のあるものについては「時価法」を原則としています。


 


もちろん、中小企業への簡便法への配慮から、「多額でない場合には」、原価法を採用できるとしています。


 


この辺も、その「多額」というのをどの程度と判断するかがポイントなるとは思いますが、それは例えば、取引銀行から


 


「決算書と一緒に、有価証券の時価明細も付けて下さい。」


 


とお願いされるようであれば、もう始めから、決算書に織り込む方が、銀行側も助かるでしょう。


 


ちなみに、この時価評価損益は「売買目的有価証券」については、税務上も認められますが、税務上、「売買有価証券」には厳密な定義があり注意が必要です。


 


でも、この定義も、今回の「中小企業会計指針」には、織り込まれていますので、ご参考に。


 


 


(今回、非常にテクニカルな話が続きますね。(_;)すみません。)


 

投稿者 kuni01 : 23:52 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月21日

中小企業会計に関する指針の公表−有価証券1−

中小企業の会計指針が公表されて、1週間ほど過ぎました。

 

九州地区では、鹿児島銀行が、リレーショナルバンキングの一環として、中小企業会計基準(税理士会連合会)を利用して、決算書を作成した企業には、優遇金利での貸出しを行う旨を発表し、今後ますます、次世代の中小企業会計を担う指針として、この中小企業会計指針は、着目されていくことだと思います。

 


 

その中のトピックを今後、勉強もかねて取り上げて行きたいと思います。

有価証券についてです。

指針では有価証券については、以下の項目に分けて記載されています。
数字は、指針の項番を表します。

19.有価証券の分類と会計処理の概要
20.有価証券の取得原価
21.有価証券の評価方法
22.有価証券の減損
23.貸借対照表上の表示
24.損益計算書上の表示

この中で、19.有価証券の分類と会計処理の概要についてですが、ここには、指針上、売買目的有価証券については、法人税法の規定を明確に織り込んでいます。

その点、税法基準により処理が行われることが、想定されており、「税務上どうなの?」を気にする利用者にとっては、分かりやすい表現と思われます。

(今日は、ここまでです。(*^_^*))

投稿者 kuni01 : 22:08 | コメント (1) | トラックバック

2005年06月16日

中小企業会計に関する指針の公表

「中小企業会計に関する指針案」が公表されました。


 

このBlogでも何度も、取り上げていますが、私は、この『中小企業会計』というものに、非常に関心を持っています。

 

それは、私が監査法人に入って以来、ずっと銀行監査の一環で、自己査定をみてきたとき、中小企業の決算書の精度の低さを目の当たりにしてきたからです。

 

「日本の金融は、不動産担保主義だ」といった批判が、されてきました。また、銀行員もそれに頼ってきた部分があったと思います。

 

ただ、かといって、中小企業の決算書で、融資を判断するのは、その決算書の信頼性の観点から、土地に頼った融資より危うかったのでは、と思います。

 

ある意味、「仕方なかった」というやつです。

 

その一つの批判として、税務基準での決算書がありました。

しかし、税理士協会の方も、現在は適切な決算書の作成を会員に指導してきています。

 

そして、その指針となるものの草案が、今回公表されました。

 

 

ただ、ちょっと残念なのが、会計基準はひとつという、シングルスタンダードの立場を貫き、「指針」レベルでとどまっている点です。

 

私は、会計士ですが、会計士協会の唱えていたシングルスタンダードは、実務的ではないと思っていました。

 

それは、「コレさえ見れば、適切な会計基準に従っている!」といったユーザーサイドの視点が欠けているからです。

 

その点、日本税理士会連合会が出した「中小企業会計基準」の方が、体系的で、わかりやすいのでは、と思っています。

 

今後、夏までにどのようになるのか、まあ、大枠は変わらないのでしょうが、これでまた、会計というものが専門家のものになることを、私は恐れています。

 

(何か、質問等あったら、コメントください。かなり説明を省いていますので。ただし、総論のみですよ(*^_^*))

投稿者 kuni01 : 01:06 | コメント (0) | トラックバック

2005年05月15日

中小企業融資

土曜日の日経新聞に大手銀行が、中小企業への融資を拡大しているとの記事が出ていました。

 


 

土地担保神話が崩壊して、その企業の収益力を元にした融資が拡大しているとのことです。

 

売掛債権の流動化、在庫担保という、いわゆる営業資産を担保に取るもの、中小企業の財務諸表の査定による収益力、成長力をもとに融資するものといった具合にです。

 

この場合、通常の不動産担保の金利に比べ、高いとのことですが、金利の面からみれば、リスクプレミアムによるものでしょう。

 

不動産の場合は、客観的な時価がある程度査定できますが、新手法の融資の場合の裏づけについては、情報の非対称によるリスクと、その対象そのもののリスクがあります(「固有のリスク」とでも言っておきましょうか。)

 

固有のリスクの例は、以下のようなものがあると思います。

 

 在庫 :そもそも売れるか判らない
 売掛債権:その債権の相手先の信用力
 財務諸表による判断:その収益力が未来のキャッシュフローを表すわけではない

 

ただし、不動産担保にも

 

土地 :将来土地の下落がある
収益不動産: 将来もテナントが出て行かないわけではない

 

といった具合で、固有のリスク自体は、多かれ少なかれどちらもリスクが存在するのでしょう。

 

となれば、情報の非対称

 

これは、不動産の方が有利な気がします。

ほか、在庫はみても売れるか判らないし、財務諸表による判断は、その企業の財務諸表の信頼性、すなわち会計帳簿の信頼性、決算への経営者の姿勢(保守的な会計を行うか、節税だけのための会計を行っていないかといった)、売掛債権はその融資先の企業の取引先の信用状況とそのデフォルトが、融資先に与える影響まで加味しなければならないのでしょう。

 

最近はBlogでも何度か書いていますが、中小企業会計について関心を持っています。

 

もし、中小企業の決算書が、誠実に作成され、信頼性が高いものであれば、不動産担保に本当に取って替わる時代が来るのでは、と (*^_^*)

 

投稿者 kuni01 : 11:28 | コメント (0) | トラックバック

2005年05月05日

続、中小企業会計0504

今日も、ゴールデンウェーク。

 

福岡は非常に良い天気でした。

 

といっても、私は家の中。


実は、まとまって時間の取れる今、あることを調査しているのです。

 

 

テーマは、Blogにも出てきましたが、「中小企業会計」

 

私は、熱中すると時間の経つのを忘れてしまうたちなので、知らない間に夜更け。


昨日は、気がついたら午前4時。

 

ついBlogを更新することを忘れて寝てしまいました。


 

といって、テーマは中小企業会計ですが、こちらは、私たちが普段監査で扱っている会計とは別物です。

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略


その理由は、利用者が限られていることおよび費用対効果を求められることです。

以前、小さな会社では、売上高に対する、経理コストは1%以内という、竹田陽一先生のお考えをご紹介しましたが、まさにそれです。

そもそも、中小企業においては、私たち監査法人にいる会計士が普段扱っているような、複雑な会計処理は存在しないからです。また、目的も所有と経営が一体化している中小企業においては、株主に対する情報は、すなわち、投資家に対する情報はほとんど意味がないのです。

また、デリバティブの時価評価、税効果会計といった複雑な会計基準が存在しますが、そのようなものは、会計の専門家を抱えない中小企業の経営者の理解を超えるものであり、また経営者の認識している会社の実態と乖離しているものと予想され、あまり有用な会計情報ではないのでは、と思われます。

中小企業の会計処理は、どちらかというと、会計ビッグバン、すなわち金融商品会計や、税効果会計が導入される以前の会計基準レベルで、費用対効果の観点から簡便的な方法で行われていればいいのでは、と思っています。

ただし、現在の税務基準だけは、ちょっと無理あるかな。(@_@)

投稿者 kuni01 : 00:51 | コメント (0) | トラックバック

2005年05月03日

中小企業の減価償却

今日は、事務所開設のためのパソコンを購入しに行きました。

 

これでようやく、少しずつインフラが整ってきたのかな(*^^)v

 


今日のテーマは、減価償却

 

これは、会計独特の言葉ですね。

 

減価償却費の目的は主に以下のようなものがあげられます。

 

1.費用配分の原則
2.費用収益対応の原則
3.自己金融効果


 

1or2は制度会計が、『規則的償却』といっている時点からもわかるよう、毎期の業績評価が中心となる考え方です。

 

一方、3については、税法との関係が深い項目で、税法の償却限度額の範囲内であれば目的が達成できます。

 

ちなみに、自己金融効果とは、減価償却費は、その償却限度額の範囲内で、損金として処理が行え、かつ資金流出がない費用であるため、投資原価をその減価償却費の節税部分によって回収していく、そして回収が終わったら、またその節税資金を使用して、再投資を行うことを意味しています。

 

 ここで、繰越欠損金が長期間続いているような会社においては、この減価償却費による3.自己金融効果が、もともと税金を支払っていないため、あまりありません。


そのため、論者によっては、繰越欠損金の期限が、打ち切りになりそうな場合には、会計上、減価償却費は、計上をその償却限度額の範囲内で行うことも許されるのではといった主張をされている方もいます。


確かに、損失・欠損金を計上している時においても、その償却費を計上して、結果、繰越欠損金が有効活用できない場合には、もったいない気がします。


ただ、私は、文書でを読んで、ふと思ったのが、そんな繰越欠損金の繰越期間(以前5年間、現在7年間)おいてもまだ欠損金を解消できないような会社が、自立した中小企業としてやっていけるのでしょうか?


そもそも、減価償却費の「自己金融効果」を目的とするのであれば、償却不足の発生により、今、どれくらい一般敵なペースに対して遅れをとっているのか、翌期フル償却を行って解消できるのか、といった点に注目する必要があります。


私の経験上、慢性的償却不足がある会社は、まず「投下資本」の回収が難しいと考えられます。金融機関は、償却不足のチェックを厳密に行いある程度考慮済みといったところが多いと思われるので、企業が危機意識を持つためにも、ある程度は、無理をして規則的償却を実施することも、ひとつの会計戦略だと思います。

投稿者 kuni01 : 02:52 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月25日

中小企業会計(『賞与引当金』)

監査法人を辞める私にとっては、最後の監査となる決算繁忙期です。

 

 

連日深夜、昨日は、帰ってBlogと思ったら、例のウィルスバスターの誤ファイルをダウンロードしていたようで、パソコンのCPUが『ビジー!』(今朝、新聞を読むまで原因を知りませんでした <`〜´>)遂に、力尽きてしまいました。

 

 

明日からは近距離ですが、帰る時間が勿体ないので出張にしようと思います。


 

中小企業の会計指針、気になるところですが、今日はそれにちなんで、『引当金』について、書かせてもらいます。

 

 

銀行監査では、銀行の『自己査定』の監査を行うときに大量の融資先の決算書を見ます。

 

 

私の場合は、地銀なので、見る先は殆ど中小企業。


 

この中小企業で、引当金を仮計算でも計上している先はあまりありません。

 

(せいぜい、公開準備会社ぐらいですかね。)


 

ただ、この引当金の会計処理をとっても『勝ち組』『負け組』の差が生じる要因にもなりうるのです。


例えば、『賞与引当金』


賞与を支払わない会社は少ないとは思いますが、『賞与引当金』を適切な金額を積んでいる会社はあまりありません。


平成10年改正までは、税務上、一定限度までは『損金』として認められていましたが、現在は、コレを積んでも『損金』とはならないため、税務基準に合わせて計上していないのです。


すると、この賞与引当金の金額だけ利益は過大に計上されます。


ここまでであれば、まだ、いいのですが、実はこの過大利益を”儲かった”と錯覚してしまう会社の方がいるのです。


そのため、儲かった分、役員賞与や配当金として『社外流出』してしまうのです。


そして、夏が来ました。

「社長、夏のボーナス資金がありません!銀行に賞与資金の借り入れをしましょう。」


ということで、銀行ではボーナス時期に『賞与資金』というものを金利をつけて貸し出すのです。



もし、ここで、決算時に『賞与引当金』を適切に引当をしていたら、どうだったでしょう?



当然、その分利益が過少計上され、その上、損金には参入されないため税金も出ます。

(この辺、税効果の絡みもありますが、とりあえず話しを単純化するため無視します。"^_^")


社長も、コレはうかつに社外流出はできないと、夏まで賞与資金として銀行の3ヶ月定期預金に設定しました。


3ヶ月後、この定期が満期となり利息を受け取り、そのお金で従業員に賞与を支給しました。


この2つの違いがわかりますか?


『賞与引当金』の会計処理ひとつとっても、一方は、お金を借りる側(『負け組』)、一方は、お金を預け利息をもらう側(『勝ち組』)への道を歩むことがあるのです。



会計の問題は、債権者等の利害関係者等の利用の話もありますが、第一義的には経営者が利用できる『真実の概観』を伝えるものでなければなりません。

それを如何に表すか課題です。

投稿者 kuni01 : 00:09 | コメント (0) | トラックバック