« ホームページ | メイン | ベンチャー企業の資金調達 »

2005年11月14日

デューデリジェンス

今週の経営財務に『継続企業の前提やめますか?〜監査とデューデリジェンスを巡って』というレポートがのっていました。『会計監査の甘さをデューデリジェンスと比較して指摘したマスメディア』に対する批判のレポートです。

 

大変興味深い記事でしたので、今回は、監査はデューデリジェンスに比べて甘いか?ということについて考えてみたいと思います。(『甘い』というのは、事業の収益性について消極的な見通しをたてる傾向ガつよいという意味と考えます。)

 

◆デューデリジェンスとは??

そもそもデューデリジェンスにはある投資対象(企業そのものであったり事業であったりします。)に対して投資をするかどうかの判断にあたって、投資対象の経済的実態を把握し、問題点の有無を把握するために行う調査をいいます。

 

デューデリジェンスは一般的に

     ビジネスデューデリジェンス

企業組織、生産・販売及び財務活動、研究開発活動等の調査

     ファイナンシャルデューデリジェンス

直近財務諸表及び過去の財務諸表の分析・調査、資金繰りの実態、含み損等の簿外負債の把握等の調査

     リーガルデューデリジェンス

定款、登記事項等の法的基本事項、重要な契約の内容、係争事件等の法的事項の調査

 

に分類できます。そしてわれわれ会計士がメインでかかわるのは�と�の部分になると思います。

 

◆デューデリジェンスの場合

先ほどの定義の中にも入っていますが、デューデリジェンスの目的は、企業の買収等にあたって、投資対象をその値段で買って妥当ものかどうかについて、専門家に判断材料の作成を求めることです。

 

したがって、将来の収益性の見込みということがより重視されてきます。

 

この場合、依頼を受けた専門家(=会計士)は、各人それこそ様々な技術を駆使して、それぞれの判断によって収益性を評価します。収益性という将来予測に係る判断というのは難しいもので、担当する会計士が違えば結論も違うということも当然あるでしょうし、通常の会計基準とは離れたところで、より見通しを消極的に考えるというケースもあるでしょう。

 

しかし、それは専門的判断による違いであって、判断の前提や過程を依頼者に対してきちんと説明すれば、依頼人も満足するはずです。

 

 

◆監査の場合

 

ところが監査の場合そうはいきません。利害関係者が株主という不特定多数に及ぶからです。

 

株主全員に対して判断の前提や過程をいちいち説明するわけにはいかないため、予め周知された一定のルールが設けられています。これが会計基準や監査基準です。

 

このルールは年々詳細かつ厳格になってきています。逆にいうと、会計士が専門的判断を行使する場面というのは少なくなってきているということです。

 

 

     監査はデューデリジェンスより甘いか?

 

結論としては、監査が甘いとかそういう問題ではなくて、監査とデューデリジェンスとでは目的が違うため、それぞれ目的に従った業務を行なっているだけだということです。

 

監査は明文化されたルールに準拠して行なわれるのです。甘くも厳しくも判断は一般的に周知されたルールの枠内でのものといえるでしょう(ルール自体に違反するのは論外ですが。)

 

したがって、監査にもっと厳しいことを求めるのであれば、会計基準や監査基準自体がかわらなければ会計士としてはどうしようもないのではないかと思っているところです。

 

(最近リクルートをしていても、デューデリジェンスの業務に興味がある人が増えてきました。やはり専門的判断を下す余地が大きいほうがやりがいがあるに決まっていますね。勿論十分な知識と経験がないと厳しい世界ですが・・・

 

投稿者 a005547 : 2005年11月14日 00:37

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.akasaka-cpa.com/mt/mt-tb.cgi/24

コメント

削除されたんですね…残念です。
内容が内容であり…ですね。

投稿者 ◆△ : 2005年11月15日 23:01

コメントしてください




保存しますか?