2005年10月29日
スワップ取引
デリバティブは、和訳すると金融派生商品となります。株式や金利など基になるもの(「原資産」という)が存在し、そこから何らかの条件のもとで派生するものです。
デリバティブにはいくつかの種類がありますが、代表的なものとしてはスワップ、オプション、先渡・先物があります。そのうち、今回はスワップ取引について取り上げてみたいと思います。
スワップとは「現在価値の等しいキャッシュ・フローの交換」のことをいいます。あらゆるスワップ取引はこの一言でいいあらわせますが、『現在価値』とか『キャッシュ・フロー』とか漠然としていますので、その内容について考えていきます。
◆ 現在価値
� 現在手元にある1億円とちょうど10年後はいってくる1億円とは同価値でしょうか?
� 1億円は1億円なのだから時期が違っても同価値にきまっているではないか!!と怒られてしまいそうですが、われわれは少し違った見方をします。
� それは、今手元に1億円あるのだったら、その資金を運用してもっと増やすことができるのではないか?という見方です。例えば国債への投資は、よほどのことがない限り(*1)約束のときに約束の金額だけ返ってきます。1億円を国債に投資しておけば、ほとんど何の心配もせずに一定のモウケ(いまだと1.5%くらいですね。)をえることができます。
� 無リスクの投資対象がある以上、現在1億円が10年後も1億円のままであるということはむしろ損だと考えるわけです。このような考え方から、将来の1億円(=将来価値)は現在の86百万円程度(=1億円÷(1.5%の10乗))(=現在価値)の価値がしかないと計算するのです。
� このように、今手元にある1億円と将来の入ってくる1億円とは価値が違いますし、また同様に、5年後に入ってくる1億円と10年後に入ってくる1億円とも現在からみると価値が違います。現在価値という概念は【将来の現金流入】を【現在という一定時点におきなおして考えることができる】という点で大変便利で、会社の買収価値を評価するときや事業投資の採算性を判断するときなど様々なことに用いられています。
(*1)2001年にはアルゼンチン債が債務不履行(デフォルト)を起こしました。日本国債もわかりませんが・・・・・
◆ キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローとは文字どおり、いつ、どれだけの金額を、受取るか/支払うかを確定した資金の流れです。異なる通貨のキャッシュ・フローの交換をすると通貨スワップとなりますし、金利によって発生するキャッシュ・フローを交換すれば金利スワップです。
変動金利を固定金利に換えるという金利スワップ取引はもっともポピュラーで比較的規模の小さな会社でもよく目にすることがあります。
◆ スワップの評価
スワップとは「現在価値の等しいキャッシュ・フローの交換」です。したがって、現時点ではどのようなキャッシュ・フローの交換であれ、とにかく交換されるキャッシュ・フローの現在価値は取引成立時点においては必ず等しいはずです。
しかし、取引が成立した後、時間がたつにつれマーケットの金利状況に変化が起こり、取引時点では現在価値の等しかった2つのキャッシュ・フローもその現在価値を異にすることとなります。
この変化をうまくマネージし、成績をあげることがスワップディーリングの狙うところです。
スワップの価格計算を行う仕組みについては、とても一度には書ききれないので別の機会にしたいと思いますが、スワップ取引を行っている会社の経営者の方は、スワップの時価がどれくらいかという資料が取引金融機関にお願いするともらえますので、一度見てみられるとよいと思います。
びっくりするほどマイナスになっている場合もありますので。
(つづく・・・
投稿者 a005547 : 2005年10月29日 16:19
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.akasaka-cpa.com/mt/mt-tb.cgi/32


