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2005年10月31日

オプション取引

 

前々回より、デリバディブ取引のイメージについて考えてきていますが、今回は意外にも多くの場面で使われているオプション取引について見てみたいとおもいます。

 

     オプションとは?

 オプション(option)は選択権のことをいいます。

 オプション取引では原資産を買う権利や売る権利を売買するのです。

 

このうち

     買う権利のことをコールオプションという名前でよび、

     売る権利のことをプットオプションと呼びます。

 

     オプションの効果

少し抽象的なので具体的にオプション取引にどのような経済的効果があるかということを考えます。そもそもオプションの保有者は自分に有利なときだけオプションを行使することがきる点に特徴があります。

 

例えば、なじみの深いストックオプション。IT関連ベンチャーの経営者がこれで大もうけしたという話をよく聞きますが、これもオプション取引の一つです。つまり、ストックオプションとは『将来の一定時点において、一定の値段で株を買う権利』のことですから、これは『会社が役員・従業員に付与する自社株のコールオプション』と言い換えることができるのです。

 

ここでのポイントは、従業員が当初から株を実際に買うのではなく、約束の値段で株を買う権利を持っているにすぎないという点です。従業員は市場での株の時価(=株価)が当初から約束していた購入価格を上回った場合にだけ権利を行使すればよく、権利を行使し、株を手に入れた瞬間に売却すれば、ノーリスクで売却益(=キャピタルゲイン)を得ることができます。

 

もちろん株価が、当初約束の購入価格を超えなければ意味がありませんが、従業員も株主と同じ立場にたって株価アップのために全力でがんばるインセンティブを与えることができるというわけです。

 

     オプションの勝ち負け

ストックオプションは会社が従業員に労働を提供してもらうかわりに付与するという特殊な取引例ですが、通常の市場取引で、投資家はオプションをお金で買います。

 

例えば、将来の一定時点(=コールの満期日)で、株式Aを1,000円で買う権利(=コール)が30円で売られていたとします。コールの買い手は、株式Aの株価がいくらになれば満足するでしょうか?

 

     800円の場合、コールの買い手は全く満足できません。なぜなら、市場で800円としか評価されていない株を約束の値段である1,000円でかっても、200円損するだけだからです。ただ、この場合でもコールの買い手はべつにA株を買う権利を行使しなくてもよいので、損失はコールの購入価額である30を放棄すればそれですみます。

     次に、株式Aが1,010まで値上がりした場合はどうでしょうか?コールの買い手はなお満足できません。なぜなら、株式Aを1,000円で買って1010円で売っても、利益は10円にすぎずコールの値段である30円を上回らないからです。

   つまり1010円−1000円−30円=△20円で、20円損するわけです。

     さらに株式Aが1200まで値上がりすれば文句なく大満足です。1200円‐1000円−30円=170円の利益を得ることができるからです。

 

     オプションの価値

ここで問題となるのが、コールの値段(上記の例だと30円)をどのように設定するかです。これは株式Aのもともとの価値、金利の状況、権利行使価格(=上記の例だと1,000円)やオプションの満期をどのように設定するか等によって違ってきます。

 

これらの要因を考慮しつつオプションプレミアム(=コール等のオプションの値段)の計算を可能としたのが有名なブラックショールズモデルです。これは高度な数学モデルにもかかわらず、広く使われているようですね。ちなみにこのモデルの考案者の一人ショールズは97年にノーベル経済学賞を受賞したそうです。

 

     オプションの応用

先の説例はもっとも単純なコール取引でしたが、オプション取引は、組み合わせとして用いられることの方が多いようですね。例えばコールの買い(=買う権利を買う)とプットの売り(=売る権利を売る)とコールの売り(買う権利を売る)という取引を見たことがあります。うーん・・・どういう場合にもうかってどういう場合に損するのか仕組みを理解するのが大変です。

 

また前回説明したスワップ取引とオプション取引が組み合わさったスワップションや、何らかのオプションを売買する権利である複合オプションなど、種類はいろいろです。また、最近はプロジェクトの評価方法の一つとして、リアルオプション評価法などがあります。

 

以上、オプションの価格決定など勉強すると大変興味深いのですが、概要の一部だけを書いてみました。それでも今回は大変長くなってすみません・・・

(おわり・・・

投稿者 a005547 : 2005年10月31日 22:53

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