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2005年09月27日
信用リスクの正体
先日のリース取引についてのBlogに、コメントをいただきました。(江上さん、いつもご愛読有難うございます。)
『信用リスク』って何ですか?
私も、当初銀行等の監査に携わっていたときは、信用リスクについては、単に『貸倒になって回収できなくなるリスク』と思っていました。
ひとことで言って、『貸倒のリスク』ですね。
しかし、この信用リスクというものは、実は厳密に考えていくと、以下のように分解していくことができます。
・ 債務者の流動性リスク(資金)
・ 債務者のビジネスモデル
・ 債務者の販売先のリスク
・ 債務者の商品の市場の反応
・ 債務者の商品の買い手の存在
・ 債務者の仕入先の状況
・ 債務者の仕入れる原材料の市場動向
・ 債務者のおかれている経営環境
・ 債務者の業界への規制・法令の改廃
・ 債務者自身の性格・健康
・ 債務者の競合他社の動き
・ 市場全体(マクロ経済)の動き
・ 債務者の評判・風評
・ 債務者の保有している資産の時価動向
・ 債務者と債権者の情報ギャップ
(その他、まだまだ続く)
このような要素を総合して算定した結果、当該、融資先の信用リスクが求められていくのです。
ここで、一般的な銀行等では、これらの統合化された信用リスクをもとに、「この債務者の格付けはこれで、それに見合った金利はこれです。」といったような見方で融資が行われていくでしょう。
融資(株式投資もですが)には、貸し手と借り手の間に、必ず情報のギャップ(経済学でいうところの、『情報の非対称性』)が存在します。
しかし、このように信用リスク情報を分解し、調査していくと、その情報ギャップが、埋まっていきます。
つまり、同じ貸し手においても、情報のギャップの差において、リスクの認識度合いが変わり、『裁定取引』の発生する機会が生じるのです。
それが、この間書いた、リース取引の下記の部分の本質です。
『リース会社の信用リスクがユーザーのそれよりは低く、資金調達能力にも大きな乖離がある場合には高い信用力による低利調達のベネフィットの一部がリース料を通して、ユーザーに還元されることもある』
この場合、リース会社の調達金利が、何故、金融機関や市場調達より還元されるケースがあるのか?
それは、リース会社が、融資先について、金融機関や市場よりも知っていて、その情報ギャップを埋めた結果、この企業の信用リスクは、実はこれでもやっていけると、判断した場合だと考えられます。
(実際、そういうファイナンス的な見方を行って、リースを組むリース会社がいるかは、分かりませんが。)
このようなファイナンスは、プライベートエクイティといわれているベンチャー投資等で使われるベンチャー企業を常に精査しながら投資を行っていく方法、 DDSのとき契約書に付された財務制限条項(コベナンツ)、またファイナンス的な手法としては信用補完といったものでみられ、それらの取引の本質は、情報ギャップに よる裁定取引だと考えられます。
今、金融庁が進めているリレーショナルバンキング(リレバン)は、まさに、銀行と融資先が互いの関連性を深め、この情報ギャップをなくして、再び、10年前のような不良債権が発生しないようにしましょうといったところが狙いです。
今日は、非常にマニアックな話となりました、ご勘弁ください。(-_-;)
投稿者 kuni01 : 2005年09月27日 20:14
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