« 『財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準』 | メイン | HP-WAY »
2005年07月20日
黒字から赤字に転換する瞬間の話(2)
(前回の続きから・・・・)
赤字から黒字に転換するためにはどの程度の売上高を達成すればよいかということをテーマに考えてきました。今回は、早くもその結論について書いてみたいと思います。
Ø 社長からの突然の質問
例えば、ある経理担当者が次のような質問を社長から受けたとしましょう。
『当社では、売上高200万円に対し、この売上高と比例的に発生する物流費などの費用が100万円程度ある。一方、売上高の増減にかかわらず150万円程度だ。その結果、利益は200万円−100万円−150万円で50万円の赤字となってしまっている。売上高をいくらまで増やせば黒字化するのかな?』
経理担当者は悩みます。
『たしか、利益=売上高−費用だったな。そして社長は50万円の赤字だといっている。それなら簡単だ。売上高を50万円増やせば黒字になるじゃないか。』
果たして、この経理担当者の考え方は合理的でしょうか?
Ø 変動費と固定費という考え方(⇒会計用語=宇宙語)
前回書きましたように、『利益=売上高−費用』です。そして、『赤字』は売上高よりも費用の方が大きい状態、『黒字』は売上高よりも費用が小さい状態です。
ここでは売上高を拡大することによって、赤字をなんとか黒字にできないもとのかということを考えていますが、一つ重要な注意点があります。
それは、売上高を増やせば増やすほど、比例的に増えてしまう費用があるということです。このように売上高に比例して増加する費用を変動費といいます。
例えば、原材料費、燃料費、外注加工費、物流費などは変動費にあたることが多いと思います。
一方で、売上高が増やしたとしても、増えない費用もあります。これを固定費といいます。
例えば、減価償却費、人件費、賃借料、保険料等は固定費にあたることが多いと思います。
Ø 社長の問いかけに対する正解は?
先ほど、社長は『売上高200万円に対し、この売上高と比例的に発生する物流費などの費用が100万円程度ある。一方、売上高の増減にかかわらず150万円程度だ。』と言っていました。
(変動費の計算)
売上高に対する変動費の割合は
100万円(←物流費等の変動費)÷200万円(←売上高)=50%です。
これは、売上高を1円増やしたとしたら、それに伴って0.5円費用が増えてしまうということを意味します。売上高が100万円なら50万円の費用、売上高が200万円なら100万円の費用、300万円なら150万円の費用ということになります。
(固定費の計算)
さて、その一方で固定費は売上高とは全く無関係に発生する費用でした。売上高が50万円だろうが、100万円だろうが300万円だろうが、先ほどの社長の会社の場合、発生するのは150万円と決まっています。
(結論)
以上を前提に考えると、『黒字から赤字に転換する瞬間の売上高はいくらか?』という問いかけについて中学生レベルの方程式を用いると結論がでます。
『売上高−費用=利益』でした。費用には変動費と固定費がありますから、
『売上高−変動費−固定費=利益』となります。
黒字から赤字に転換する瞬間、利益は0円です。
したがって、売上高をXとおきますと
『X−0.5X−150=0』これをXについて解くと
『X=300』つまり300万円が答えなのです!
先ほどの経理担当者の考え方は残念ながら誤りだったといえるでしょう。
このように、どれだけ売上高を伸ばせば黒字化するかということを考える分析手法を損益分岐点分析(←会計用語=宇宙語)といいます。
(つづく・・・・)
今回は宇宙語が3つもでてきてすみません。
昨日の野球は1時間でバテました(泣)
投稿者 a005547 : 2005年07月20日 00:53
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.akasaka-cpa.com/mt/mt-tb.cgi/128


