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2005年06月03日

会計よもやま話�〜固定資産にかかる減損会計


これまで新聞等で幾度となく取り上げられ、企業の業績に強烈なインパクトを与える減損会計。中には1,000億円規模の損失を計上した会社もあるようです。減損会計を適用した会社の株価は、不思議なことに、多額の損失を計上したにもかかわらず上昇しているケースが多くあります。企業実態を写す道具に過ぎない会計基準が、逆に実体経済に大きな影響を及ぼすというのも変な気がしますが、そのからくりを解明したいと思います。


 


企業は設備に投資をして、その設備を使って製造される製品を販売し、儲けを得ようとすることはよもやま話�でもお話しました。


 


ここで面白いのは、設備は1年間だけではなく数年間使用するのが通常であるため、会計ルール上ひとつの工夫があることです。


 


それは、設備を購入したときの現金支出をその期の損益計算書において全て費用化してしまうのではなく、使用する期間にわたって、配分しようという工夫です。


 


考えてみれば当然のことですが、企業が100億円の設備投資をし、10年間にわたってその設備を利用してもうけようと考えているのに、設備投資の初年度にいきなり100億円の損失を計上するのは、どう考えても企業の実態を表しているとは思えません。使用する10年間にわたって費用化し、製品の販売収益と対応させるが、企業の儲けを表すために合理的でしょう。

というわけで、設備投資の初年度には100億円のうち10億円だけが費用として計上され、残りの90億円は貸借対照表に資産(将来収益の糧)として計上されることになります。

前置きが長くなってしまい申し訳ないのですが、ここからが減損会計の話になります。

そもそも企業はもうけることを目的として事業活動を行っていますが、全てがうまくいくとは限りません。多額の設備投資を行ったとしてもそれが収益に結びつかないなと経営者自身が自覚してしまうときもあるでしょう。

厳しいようですが、そのような儲からない資産は、貸借対照表にはのせてはならず、わかった時点の損失として損益計算書に計上しなさいというのが減損会計です。なんせ貸借対照表に載せてもよいのは将来の糧となる財産だけなのですから。

なお、減損損失を計上する場合、損益計算書には、減損損失を認識するに至った経緯を記述することがルール化されています。経営者は自らの失敗を記述しなければならないのでなかなか詳しくは書いていませんが、企業の状態を知るうえでなかなか興味深い情報を得ることができます。

EDINETのキーワード検索で「減損損失」 などと入れるとたくさん出てきますので一度見られるのもよいかもしれません。

また、冒頭で減損損失を計上すると株価が上がるということを記載しましたが、これは、将来にわたって費用化する資産を一気に損失計上することで、将来の費用負担が減ってその分利益が増えるという算数的な理由によるものだけではありません。

資産の費用化を早めにすることで、経営が身軽になり、経営者は思い切ってスクラップAndビルドを行うことができることなども株価をおしあげる要因となるでしょう。

問題の先送りは経済の世界でも歓迎されないということですね!?


POINT

減損会計は将来収益に貢献しない資産を早めに費用化し、来期以降に引き継がないようにするものである。

投稿者 a005547 : 2005年06月03日 00:39

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