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2005年05月28日
はじめまして
新聞記事等でも話題となっていますが、そもそも日本の監査報酬はアメリカのそれと比較して、同規模の企業でも平均で10分の1程度のようです。
日本の場合、数年前まで企業が財務諸表に虚偽記載をし、監査法人が株主からの代表訴訟を受けたり、行政処分の対象となったりといったケースは少なく、会計監査というビジネスに伴うリスクは報酬と見合っていたのかもしれません。
しかし、ここ最近少し事情が変わってきています。ほとんど毎日のように監査法人の責任を問う記事が目に飛び込んできます。
当然、監査法人もじっとしているわけではありません。10倍の監査報酬をもらい、監査先進国とされるアメリカの監査法人にならって、毎年のように監査手法やツールの変更/更新が行われます。これに対応する監査スタッフの作業量や研修にかけるコストも相当なものです。
このようにコストあるいはリスクと報酬とが見合わなくなってきているのが現在の日本の会計監査の環境だと思われます。監査が監査証明を出すことによってリスクを買い取る商売である以上、それに見合う報酬をもらわなければなりません。しかし、日本の企業は「監査なんて安く、手短にすめばそれでよい」という意識をもっています。
いかに会計監査が企業に法律上義務付けられていようとも、顧客(企業)からの主体的ニーズのないところに報酬はないというのが、経済原理です。ここに私が会計監査という業務から離れて独立を考える一つの理由があります。
次にコメントいただきました「会計監査に関して能力による報酬説明が可能かどうか」という点についてです。会計監査は企業の公表する財務諸表に「間違いない」という太鼓判を押すことが仕事ですので、監査証明で適正意見をつけた財務諸表には間違いが無くて当然、万が一間違っていたらそれこそ訴えられてしまうことにもなりかねません。
たとえるならば、鉄道会社が時刻表どおりに電車を運行しても、それが当然であって、そのことをとりたてて褒めてはくれないのと同じことだと思います。
ですので、通常の経理能力をもった会社に対して「うちの監査法人は間違いなく監査をしますよ!」とアピールしても報酬アップには結びつきにくいのではないでしょうか?
むしろ、監査の過程では、会計数値の立証のために、経理担当者の方にかなりの負担を強いることになります。それを軽減するため、少ない監査日数、監査報酬で済まそうとする企業の考えも当然理にかなっていると思います。
付加価値をつけるとすれば、専門知識を生かしたビジネスや管理体制(内部統制)構築のためのコンサルティングということになりますが、それはエンロンやワールドコムの事件のように、監査法人と企業との癒着という問題を引き起こし、現在、監査法人が担当企業のコンサルティングを行い報酬を得ることは厳しく禁じられています。
というわけで、会計監査に関していうと、能力と報酬とが直接的に結びつきにくいという側面はあるのではないかという気がします。
このテーマはまたの機会に取り上げて投稿したいと思います。これからもよろしくお願いします。
投稿者 a005547 : 2005年05月28日 11:28
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コメント
こんにちわ。いつも拝見し、愛読させていただいております。今日もカネボウの件で会計士協会による監査法人への調査に関する記事が新聞に掲載されていました。リスクをとる仕事であるから、そのリスクに見合う報酬というものを見直すべきという話はよく理解できます。
ところで、すこし一般的な疑問になるんですが、われわれ弁護士は、(結果責任などによって)ある程度明確に「弁護士の能力の差」というものがお客さんに理解してもらえるので、実力による報酬の差というものも説明しやすいと思うのですが、会計監査という業務の場合、会計士さんの能力による報酬説明というものは、クライアントの方に理解してもらえるのでしょうか。
また、お時間のあるときにでもご教示ください。また続編を楽しみにしております。
投稿者 momochin007 : 2005年05月28日 12:56
Commentいただきまして有難うございました。私は初めての投稿だったので、これからの励みになります。
ご質問の点は少し長くなりましたので、本文に記載しました。
これからもよろしくお願いします。
投稿者 a005547 : 2005年05月28日 15:29


