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2005年01月25日
繰延税金資産
今朝の朝刊に、足利銀行の監査を行っていた監査法人の戒告処分が
記載されていました。
足利銀行の破綻のキーとなったのが、繰延税金資産の資産性でした。
繰延税金資産というのは、何か?
それが、金融不安の中の会計上の大きな疑問として取り上げられました。
誤解を恐れず端的に言ってしまえば、会計上の「損失」と
税務上の「損金」との差異であり、
もっと平たく言ってしまえば、会計上の損失を税務が認めてくれれば
本当は「当期には」払わなくてもいい税金の額です。
ただ、実際の損失の額を無制限に認めても、税務上の時間切れがあるため、
計上の限度額を設けましょうというのが、悪名高き「監査委員会報告66号」
です。
私たち監査に携わる会計士は、この66号報告に苦しめられながら、繰延税金
の資産性を判断するわけです。
この66号の厄介な点は、過去の実績を重視する会計の世界(ってそもそも、
会計事態が事業年度(過去)の実績を表すためのもの、つまり過去の表現
なのに)対して、未来を予測しろ、その範囲で認めてあげてもいいよと
いった、未来情報をもとに計上額を決めていいという矛盾があるのです。
当然、未来のことは、誰にも分かりません。
また、そもそも、税金資産は、企業存続を前提にしています。
それをある日、突然「貴様は既に死んでる」という話になると、
たちまち、繰延税金はゼロになります。
その理由は、ここも、税務の話になりますが、企業存続時の税務申告の方法と
会社清算時税務申告の方法が全く異なるからです。
つまり清算時は、単純に換金可能性の話になるため、繰延税金自体
全く価値ゼロとなるからです。(これは、繰延税金を買ってと言っても
誰も、お金をくれないのを想像すれば、わかりやすいでしょう。)
ここにも、生きているのが前提ですごい金額となっている繰延税金と
突然死で全く価値がなくなる繰延税金の矛盾が存在します。
実際、議論を見ていると、繰延税金資産が過大だったから、債務超過
だった(死んでいた)のか、破綻した(死んだ)から、繰延税金資産が
過大だったのかがゴッチャになっているような気がします。
実は、米国等では、繰延税金はそれほど問題にはならないそうです。
それは、まず、会計上と税務上の差異が、日本ほど大きくない、
期限切れの期間が長い、といったところが、あるからだそうです。
となると、逆に日本の会計士は、その得体の知れない、未来的な情報
である繰延税金資産の回収可能性に対して、不当に過大な責任を
負わされていることになっているということでしょう。
正直言って、回収可能性なんて分かりません。
いっそのこと、「限度額は自己資本の30%以内にする」といった
定量的な基準を設けてくれた方がすっきりいくと個人的には思います。
っていうより、いっそ会計と税務をもう少し寄り添うような
改正をして欲しいですね。
はっきり言って、会計の基準と税務の基準はかけ離れてきているし
さらに、税務基準で作られた決算書は、会計基準が正しいという
見方をされる人たちが見ると、殆ど粉飾決算と言ってしまいそうな
レベルのものですからね。
実際、銀行の方も、中小企業のいわゆる税務基準で作成された、
決算書は、不良資産ありきで見ているし、正直そのまま、使用する方は
いないですしね…。
となると、果たして「決算書」といっていいのかな?
そういえば、この本の決算書の考え方は、
中小企業の方に有効と思われますので紹介しときます。

あなたの会社にお金が残る 裏帳簿のススメ
投稿者 kuni01 : 2005年01月25日 22:47


